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美味しい餅米「かぐらもち」


餅米の種類は幾つかあるのですが、その中に『かぐらもち』というものがあります。

かぐらもちは1963年に埼玉県で育成され作られました。
かぐらという名前から察する人もいるかもしれませんが、これは『神楽』が由来となっています。
そのため、神社仏閣のお供えにも使用されている品種であり、餅米の中でも最高級の品種の一つです。
ただ、誕生したのは埼玉県ですが、現在では石川県が主な生産場所となっています。

コシや粘りが強く、煮ても崩れ難いという特徴から、『赤飯』、『お餅』などに向いている品種でもあります。
また、かぐらもちはお米の病気である『いもち病』に強く、多収でもあるのです。
ちなみに、いもち病とは冷害時においては不作の直接理由となることもあり、稲の病気で一番被害が大きいとされる恐ろしいものなのです。

今では、餅米はお米全体の生産量の3〜5%程度を占めるだけとなっていますが、この餅米からは赤飯、おこわなどやちまき、加工してあられや団子などのお菓子も作られますし、お酒やオスの醸造にも用いられるため、重要な位置を占めているのです。

餅米の調理には、主に『蒸す』と『炊飯する』という方法があります。
蒸す場合は、研がずに、前日から水に浸けて一晩置きます。
水は餅米が完全に浸かる程度にして、翌日、ざるやせいろに入れて30分程度の水きりをすれば蒸すことが出来ます。

炊く場合は軽く研いでから、ざるなどにあげて10分程度の軽い水きりをすれば大丈夫です。
研ぐ時には始めの研ぎ水は直ぐに捨て、餅米を割らないように強く混ぜないことがポイントです。
研ぎすぎると良くないため、3回程度研ぐだけにした方がいいでしょう。

余談ですが、餅米は餅性を保持するお米の品種群であり、餅性はアミロースを殆ど、もしくは全く含まない作物の種類に用いられる言葉なのです。
これに対してアミロースを含んだ粘り気の少ないお米のこと『粳米(うるちまい)』などと呼びます。
尚、餅米は今までは『糯米』と表記されていましたが、近年は『餅米』という風に記されることも多くなりました。

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